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「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 」読んだら今までの日常が深く問われてしまうような本

 マインドフルネスは、もう食傷気味なのだがこれは日本向けなのだろう。

 原題は「Happiness Trap~How to Stop Struggling and Start Living」。

幸福の罠。

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の具体的なプロセスについて、また、その先にある「どう生きることが幸福なのか」という問いとともに、生きる価値について考えるワークもできる内容になっている。

 


 しばしばわたくしは
「感情的である」
「感情をコントロールせよ」

という指摘に苦しんできた。でも自分のなかのネガティブなストーリーが一人歩きし始めると、自動的に反応してしまう。そういうの、わたしだけかな。


 で、もろもろ、関係を悪くしてしまう。

『感情的になるの、やめてほしい』という指摘は最もで、周りに迷惑をかけてきたと思う。

 

 確かに「平和でありたいと」自分自身、願うのだがコントールに何度も失敗すると「できたらやってますよ」「また、失敗しました。どうせ、私は感情的で、ひどいやつです」と、グレたようになってしまう。

 諦めと無価値感と自己嫌悪。

 そんなふうに頭の中の思考で、さらに自分を苦しめてきた。

 

 私のように二次的・三次的に罪悪感や自己嫌悪を持ってしまっているこじれた人にこの本をお勧めしたい。

 もともと「ネガティブなことを徹底的に考えることが職業だったせいなのか?」と、この思考回路は治らないと絶望していたが、この本によると「そもそもヒトはネガティブなことを考えることがデフォルト」という内容が書いてあって、そこがまず救われた。「人生は痛みを伴うというのが現実だ」という認識は、とても仏教的でもある。

 さらに「豊かな、満ち足りた、意味ある人生」という幸福を、どのように目指していくのかという航海において、著者はこうした意味での幸福を目指す人生は同時に「不快な感覚、悲しみ、恐れ、怒りなども引き起こす。これはある意味当然で、人生を目一杯生きようとしたらあらゆる種類の人間感情を味わうことになる」と指摘していて、ここの私は救われたなあ。

 憎しみや嫉妬、劣等感も懸命に生きていたら浮かんでくることもあるし「それを止める(コントロールする)ことはできない」のだ。さらにいうと、コントロールする戦略は常に敗北するのだと。

ACTは、コントロール戦略ではなく「アクセプタンス」(受け入れる)戦略を採る。

この本の前半は、その「受け入れること」、苦しみを減らすスキルとその理由が述べられている。

 ACTは、

1)脱フュージョン

2)受容(アクセプタンス)または拡張
3)接続~いまこの瞬間との接続

4)観察する自己

5)価値の確認

6)目標に向かっての行動

 というプロセスをたどる。


このプロセスは、1日、何千ものわきおこる感情や思考を扱うため、終わりはない。瞬間瞬間の気づきと脱フュージョン。そして受容を繰り返す。

「これは、感情をコントロールするスキルではない」と著者は何度も警告する。
あくまでも、ネガティブな思考や感情に対して「そこにいてもいいよ」とあるがままにさせておく術なのだ。闘ってもがいたり、避けて逃げるとその思考は何度も立ち現れる。

 受け入れて、「ネガティブな思考にも居場所をつくってあげる」こと。闘わない。その目的は「闘うことではなく、真にあなたにとって有益な行動に時間とエネルギーを注ぎ込むこと」だと繰り返す。

 

 そのとき重要なのが(5)の「価値の確認」だ。ここを掘り下げておかないと、わたしたちは「どこに向かって航海したいのかがわからない」難破船になる。

 

 この価値の確認についてはまだ、ちゃんとワークをしていないのだが、没頭してやったら、人生が変わってしまうかもしれないと思い、実は怖い。

 

でも、私にとってこの本でまず、向き合いたいのはこの第3章「生きるに値する人生を創造する」かな。

■価値とは何か。

・心の中のもっとも深い欲望、何になりたいか、どんなものを支持したいか、世界とどのように関わりたいか。

・人生を通して私たちを導き動機づける主要な原理

・そして自分自身とどのように関わりたいのか。

「心の最も深い部分からくる欲求」なのだ。(p203~204)

 

 

「自分の感情と闘ったり、恐怖を避けたりしなければ、それに使っていた時間とエネルギーを何に注ぎ込むだろうか?」という問いもある。(痛い)

 

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3分の2まで読んで、取り急ぎメモ。また、読了後に感想書きます。